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テツナグライターがレクチャー!読書感想文がスラスラ書けるコツ

読書感想文、残っていませんか?

夏休みの宿題もそろそろ終わらせていきたい時期ですが、読書感想文が面倒で後回しにしているというお子さんは多いのではないでしょうか?

実際、問題を解いていくだけの問題集などに比べ、自由度が高いだけに考えることが多く、苦手な子も多いようです。今回はそんな読書感想文をスラスラかけるようになる秘訣を、ライター目線でお教えしちゃいます!

読書感想文の心得

読書感想文を書く上で大切なのは、書き方だけではありません。個人的には「書く」という工程に入るまでの部分にかなり重要なプロセスがあると考えています。

うまく書こうとしないこと

原稿用紙を見ると、子どもなら誰でも「うまく書きたい」と無意識のうちに考えているように感じます。ですがうまく書こうとすると、どこか白々しく薄っぺらな「作文」感が出てしまい、かえって陳腐な感想文になってしまいます。うまく書こうとすると子どもは、「感動しました」「すごいです」などの表現をしてしまいがちで、表現が浅くなります。逆に、正直な感想を書くことを意識すると気持ちのこもった読み応えのある感想文になります。

興味の持てる本を選ぶこと

読書感想文を書く際、本を選ぶのが面倒で毎回課題図書を題材にするというケースは少なくありません。しかし課題図書は一般的なその年齢の子へのオススメであって、感想文が書きやすい作品というわけではないため、我が子が読みやすく興味の持てる内容の本を選んであげる方が感想文も書きやすくなります。本を探す際は「6歳 サッカー 本」などのキーワードをくみあわせてウェブ検索すると出てくるので、子どもの気に入ったものを購入(蔵書検索でありそうなら図書館で借りても。)するといいでしょう。

本を読む前に「感想文シート」を作ること

これは私自身がよくやっていた方法です。本を読んでから感想をまとめようと思うと情報量が増えすぎてしまうので、自分の中で「問題」をつくっておいて、それに答える形で読み進めます。以下は私なりの「読書感想文にまとめやすくなる問題」の内容です。こちらを参考に親があらかじめ作っておいてもいいでしょう。

感想文シート

  • 主人公の名前、年齢、性別
  • 主人公の「好きなこと」「嫌いなこと」
  • 何について書かれている部分が多いか
  • 印象に残ったフレーズ
  • 自分と似ているところ
  • 読んでいる人に何を伝えようとしているか

この感想文シートの使用例として、小1の娘が図書室で借りてきていた「モンスターホテルでおばけバラ」(小峰書店 作・柏葉幸子)という本を娘と一緒にまとめてみると以下のようになります。

  • 主人公はモンスターホテルの住人たち
  • モンスターたちは「ガーデニング」に夢中でモンスター植物を育てている。
  • みどり大好きモンスター「こけばあさん」について
  • こけばあさん「このせかいの みどりいろは、みーんなわたしの ものなのさ。」
  • 私も好きなものはひとりじめしたくなる。悪いことをしている人をみると失敗すればいいのにと思う。
  • 独り占めをする人は仲間にいれてもらえない。人に分け与えると何倍もになって帰ってくる。

こんな風に、「この部分を意識して読む」という問題を作っておくと、後から感想文としてまとめやすくなります。上で紹介した問題はどんな本にでもあてはめやすいよう考えたものですが、読解力が心配な子にはあらかじめ大人が本を読み、キーポイントになりそうな部分を問題として細かく設問しておいてあげるとよりまとめやすくなるでしょう。

早速書いてみよう!

問題シートを作り、読みながらシートを埋め終えたら、さっそく作文に取り掛かりましょう!ここで時間をあけると、内容を忘れてしまって作文を書く際にまた一部を読み直さないといけない、というタイムロスが生まれます。

まずは全体の文字数を4分等分して、鉛筆などで薄く印をつけておきます。小1の娘なら、原稿用紙2枚(800文字)が指定なので、1枚の原稿用紙の半分が4分の1です。ここからは4分の1に区切ったひとつひとつを①②③④として書き方を説明します。

書き出しは「本を選んだ理由」

まず初めの書き出しは、この本で感想文を書こうと思った理由です。先に述べたように、うまく書こうとせず、正直に、かつ本の内容に繋がるように書きます。例えばうちの娘にどうしてこの本を選んで借りてきたのか聞いてみたところ、「モンスターが好きやから!」「表紙に書いてあるモンスターの顔がかわいいし!」とのことでした。理由はこんな一見大したことのない内容でいいのです。

これを文にすると「モンスターが好きな私は、表紙に書いてあるモンスターの顔のかわいさから、モンスターホテルでおばけバラという本を読んでみました。」となります。もちろん、ここまで整った文でなくても、このあと「読んでみるとー」と本の内容に入れる文ならOKです。

①本の内容

4分割した始めの1つ分の残りのマスで、本の内容を書きます。本を選んだ理由から繋げる形で、問題シートを見ながらまとめましょう。例えば、「実際に読んでみると、この本にはモンスターホテルの客としてたくさんのモンスターが登場してきます。モンスターたちの間では最近ガーデニングが流行っていて、モンスター植物を育てています。しかしせっかく育てた花や植物もこけばあさんに見つかると大変です。こけばあさんは緑色が大好きで、すべての緑色を吸い取ってしまうのです。」という感じでしょうか。

「です」「ます」などの文末の言葉は、3回以上連続して使うと文が単調になります。うまく書こうと内容を固めなくても、「ます」が2回続いたら次は「です」にする、などちょっとした工夫をしてみると文がすっきり読みやすくなりますよ♡

②①に関する感想

ここで一旦感想を挟みます。本の内容について書く部分が長くなってしまうと、感想文としての意味がなくなるので、問題シートの「印象に残ったフレーズ」とそれに関する感想を書きます。例えば「このせかいのみどりいろはみーんなわたしの物なのさ!とこけばあさん。花が咲くことや実がなるのを楽しみに、みんなが育てている植物を枯らしてしまうなんてひどいなあと思いました。こけばあさんはモンスターのものだけではなく、人間が育てている植物も枯らしてしまうので、みんなから嫌われるのも当たり前です。」こんな風に自分の感想を交えつつ、①の本の内容から③の自分のエピソードへのつなぎ部分になるように書くといいでしょう。

③自分のエピソード

本選びの段階で、興味のあるものを選択しているため、問題シートに記載する時点で本にでてくる内容に共感できる点や似たような体験がある部分を見つけられると思います。本に出てきた○○と同じように私もーという形でエピソードを展開していきます。「ですが私も、妹とおもちゃで遊んでいる時に、こけばあさんのように好きなものを独り占めしたいと思うこともあります。それに、こけばあさんがピンチの時に死神さんが、助けなくてもいいんじゃない?と言ったのと同じように、悪いことをしていた人が困っていても助けたくないという気持ちになるのも同じです。」我が家の作文ならこんな風です。「僕もサッカーを習っているので、この時の気持ちはよくわかります。」など、エピソードとしての厚みは不問です。

④締めくくり

自分のエピソードを踏まえたうえで、この本の感想を締めくくりとして書きます。問題シートに挙げた、この本がなにを伝えようとしているかという部分です。感想をどう書くか考えると難しいですが、エピソード部分から、自分と比較したり、自分ならどうするか考えたりすれば感想に結び付きます。娘の感想文は、話し合いの結果、「独り占めすると、その時はいい気分になるかもしれません。でも取られた人はいやな気持ちになっていて、仲よくしたいと思った時にはもう仲よくしてくれないでしょう。いじわるをするとあとで自分に帰ってくるのです。同じように、悪いことをしていても、困っているのなら助けてあげるということも、また自分に帰ってくるのかもしれません。どんな人でも、助けてあげなければがっかりするし、助けてあげれば喜んでくれると思います。この本を読んで、どんなときでも人に優しくすることを心がけていこうと改めて感じました。」という形で締めくくりました。(一年生なので漢字は使っていません。今回は記事の読みやすさのために漢字や区濁点を足したり、一部内容を変更しています。)

気負わず本を楽しもう!

読書感想文が苦手、というお子さんは多いですが、その理由のほとんどは「どう書けばいいのかわからない」「本を読むのが面倒」といったものです。

うまく書こうと気負わず、楽しく読める本を選ぶだけでもその負担はかなり軽減されるのではと感じます。

その上で、マニュアル的に構成を考えて1つずつクリアしていくと、苦手意識を払拭できるかもしれません。ぜひ試してみてくださいね。

 

 

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