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見えない所がいいところ。暮らしにゆとりを!妖怪を!

子育てをしていると、「サンタクロース」や「妖精」「おばけ」ひいては「命」といった目に見える形のない物をどんな風に子どもに説明するか迷うシーンが多々でてきます。「おばけなんか迷信やん!」「妖精なんかおらんから!」と言い切ることは簡単ですが、果たしてそれでいいのでしょうか?

私自身、子どもの頃からそういった目に見えない物に関心が薄く、おばけや超常現象的な物には懐疑的なタイプですが、そんな私が最近娘の影響で「妖怪」の面白さに目覚めました。

今回は妖怪を通して見る日常の楽しさとゆとりをテーマに、妖怪の面白さをご紹介します。

妖怪ってほんとにいるの?

ある日、長女が私に聞いてきました。「河童ってほんまにいるん?」。本当にいるのかどうかという部分は、私も含め多くの大人は返答に困りますよね。ここからは私の辿ったプロセスを紹介し、妖怪が好きになるに至るまでの母と子の流れを少し見てもらいたいと思います。

きっかけは恐怖心

そもそも娘が河童のことを気にし始めたのは、兵庫県福崎町にある「河童のいる池」に観光に行ったことがきっかけでした。妖怪にも造詣が深い「民俗学の父」柳田国男のふるさとである福崎町は、街のあちこちに妖怪をモチーフにしたモニュメントがあることで有名です。中でも辻川山公園にある河童の像は、時間になると池から出てくるという本格ぶりで、当時2歳だった次女はもちろん、4歳だった長女も恐怖でだっこをせがんで来るほどでした。

帰宅してからもそのインパクトは薄れず、ふとした拍子に思い出すようで、怖いから気になるという状態から「実在しているのか」という疑問を持ったようです。

まずは知ることから

我が家では予防接種や虫など、子どもが怖がる物はよく調べてその必要性や存在意義を子どもに説明することにしています。

河童についても調べてみて、どんな場所にどんな条件で出没するのか どんな習性なのかなど色々な情報を娘に伝えました。なにぶん対象が妖怪なので調べた情報が本当か嘘かもわかりませんが、調べるうちに妖怪のキャッチーさやひょうきんさに娘も興味を持ち始めました。

妖怪がモチーフのキャラクターで親近感

興味を持ち始めると、他の妖怪の種類やそれぞれがどんな妖怪なのかなど知識を広げたがります。そんな時に図書館で見つけたのが水木しげるの妖怪図鑑でした。そのころはアニメ「妖怪ウォッチ」が流行っていたので、 妖怪をモチーフにしたキャラクターがあちこちで見られ、「この妖怪知ってる!」という親近感が、娘の妖怪熱をさらにヒートアップさせました。

こうして娘はすっかり妖怪通に、そして「娘が喜ぶから」と妖怪の絵本を一緒に見ていた私も、いつの間にか妖怪の事が気になり始めたという訳です。

妖怪の魅力って?

以前の私は、妖怪は幽霊や怪物と同系列にカテゴライズされる存在だと思っていました。しかし、今の私は違います。ここからは妖怪の魅力をいくつか紹介します。

昔を知るきっかけに

妖怪の生態を見ていると、子どもたちには理解できない妖怪が多く存在します。例えば「べとべとさん」は真っ暗な道で後ろを着いてくる足音がしたらそれはべとべとさんがいるのかも、、、というような説明で図鑑に掲載されていたのですが、幼稚園で対不審者の避難訓練をしている娘に言わせると「それってフシンシャなんじゃない?!」。伸ばした自分の腕が見えない程の闇の中を歩く心細さや、人通りのない道で1人になった時の、世界に自分だけしかいないような孤独感は、夜でも明るい現代の街しか知らない娘には想像もできません。

他にも、小豆洗いの説明を見れば「何のために妖怪がお豆あらってるん?」アカナメに至っては「お掃除してくれるって事?」とお手伝いさん的な認識でした。妖怪を知る度に昔の暮らしや人々の営みを想像し、現代との違いを楽しんでいます。

何百年前ーと言うと、なかなかリアリティがなく遥か遠い昔のように感じますが、妖怪というフィルター越しに見ると昔の日本やそこに住む人たちを身近に感じられます。

信じるだけで楽しい!

私が以前読んだ妖怪についての本に、妖怪は見えるか見えないかではなく信じるか信じないかが肝心だというような文が書いてありました。

大人としては子どもが怖がっていたら「妖怪なんていないから大丈夫だよ!」「ママは今まで一度も見たことがないし、妖怪なんていないよ!」と言いたくなりますが、妖怪がいないと断定することはサンタさんや妖精などの目に見えない存在全てを否定することにも繋がりかねません。

妖怪がいるかいないかという事は問題ではなく、あちこちに妖怪がいると信じることで生活にちょっとした楽しみや気付きが生まれます。例えば、思いがけないラッキーが起きた時や、なんとなく上手くいかないことが続く時など、「あ!今、座敷わらしがいるんかも!」とか、「この洗濯物が臭いのはぬっぺいぼうの仕業に違いない!」などと考えるとなんだか日常が楽しくなりませんか?妖怪は見えないからこそ信じられるのであって、信じるからこそ妖怪と暮らす楽しみが味わえるのではと感じます。

創作妖怪で教育も

妖怪の中には時代の流れの中で創作された妖怪も存在しています。そういった創作妖怪はなんらかの意図があって作られた物が多く、子どもの生活習慣の乱れを咎めたり正したりする役割を持つ物も中には存在します。

夜は早く寝ること、きちんと歯を磨くこと、親の言いつけを守ることなど、妖怪を引き合いに出すことで子どもにきちんとした生活習慣を身につけさせる狙いが感じられます。

恐怖で脅すような教育は私自身好きではないのですが(言う事聞かないなら鬼に電話しよ!など、恐怖感を煽る教育は親への不信感に繋がるのではと感じます。)ひょうきんさを併せ持つ妖怪なら親もナーバスにならずに注意喚起でき、子も恐怖心から従うのではなくいけないところを自身で理解してくれるように思います。

妖怪のおもしろさを知ろう

Eテレのおかあさんといっしょの「妖怪しりとり」や、アニメなら妖怪ウォッチ、書籍ならオウマガドキ学園シリーズなど、妖怪をテーマにした子ども向けの作品は多数あります。子どもたちでも怖がらずに楽しんで見られて、その面白さを理解出来ることが妖怪というモチーフを人気のあるコンテンツにしているのでしょう。

大人も、現実的じゃない、とバカにするのではなく、その深みを知り研究対象として見てみると、妖怪の面白さに気がつくのではないでしょうか。

知らないこと、見えないことを避けるのではなく、見えなくても知ろうとする気持ちが生活の豊かさに繋がるのではと思います。

ぜひ妖怪について、今一度親子で調べてみてください。思いがけない楽しみが見つかるかもしれません。

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